<コンセプト・メッセージ>

ストレスフルな現代社会の中でその生活リズムの過剰な加速度や過密感に対し緩和剤や中和剤的な役割のモノや事象の存在意義がひと頃にも増して語られることが多くなってきているように思います。
これは人の商工業的生産活動が現代のライフスタイルをある一極へ向かわせるばかりでは、との危惧の多かった前世紀後半から引き続く傾向に対するカウンターバランスとも呼べるムーブメントでしょう。

産業が成熟し物質的には満たされ切ったとも見える都市生活において、何もかもがスピードアップを目標にして時間や空間をより効率的に使うことに邁進している中で、モノに圧迫されて暮らすのではなくある意味で「無用の用」とも言える、単に空気感を演出したり時間が経つことそのものをゆっくりと楽しめる生産物があっても良い、むしろ必要ではないか、と考えてきました。

「人の生理的好奇心を喚起する動きと形」という私の活動原点となる大学院時代からのテーマに基づき、リラクゼーションに関する独自のアレンジでの造形物及び空間演出による生活環境の提案の姿勢を一貫して続けています。
機構学的要素に自然界のゆらぎのリズムを独特な手法で結び付けたキネティックアートスタイルを機軸としデザインとアートの両域でのボーダレスな活動志向を旨にクリエーション展開として「視線の遊び場」をスローガンに展覧会やディスプレイでのプレゼンテーション等を行っています。
様々な空間に常套設置される観葉植物の存在意義にも通じるような造形的可能性の模索でもあります。

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